朝日東西名人会

２００８年１月２４日（木）　シアタードラマシティ
「朝日東西名人会」

桂春菜「昭和任侠伝」
柳家喬太郎「粗忽長屋」
笑福亭鶴光「木津の勘助」
―― 中入り ――
笑福亭仁智「トクさんトメさん」
桂南光「素人浄瑠璃」


年に４回開催される会の第８回目です。
毎回出演する５人の落語家の内２人が東京の落語家なのですが、今回は東京から参加の１人が鶴光師なので、実質的には喬太郎師のみ（笑）。
ただ、鶴光師の落語は滅多に関西で聞けないので東京勢としてカウントしてもおかしくないと思います。

開口一番の桂春菜師は、お父様の故桂春蝶師作の新作落語を。
任侠映画ファンの八百屋の息子が映画館を出た後に任侠映画の主人公になりきって失敗する話ですが、春菜師の良い意味で頼りない感じがハマっていて良い感じでした。
２番手はお目当てのキョンキョンこと柳家喬太郎師♪
自分だけがアウェーだと愚痴りながら古典を。
あまり関西では聴けない噺なので、今回初めて「粗忽長屋」を生で聴きました。
いやー、相変わらず面白いなー。
確かな技術だけでなく、喬太郎風アレンジで笑わせる。
文句無しに巧くて面白い落語家です。
中トリは、笑福亭鶴光師の講談噺の「木津の勘助」。
合間合間にギャグや客いじりや雑学などで笑わせるのはさすがです。
笑いを取るタイミングが絶妙で、正直、鶴光師の落語がこんなに巧いとは思っていませんでした（大汗）。
中入り後は、笑福亭仁智師の入院しているおばあちゃんを扱った新作落語。
仁智師の新作の登場人物は、いかにも大阪という感じで好きです。
トリは桂南光師。
格やキャリアからすれば鶴光師がトリなのに、東京で仕事があるからと中トリに出てさっさと帰ってしまったという愚痴からスタート（笑）。
「寝床」の主人の浄瑠璃が始まる前までなので「素人浄瑠璃」。
南光師がしゃがれた声で振り絞るように「おお～～」と語ると、それが主人の下手な浄瑠璃として聞こえる素晴らしさ（笑）。
落語家によって合う合わない噺があるとすれば、この噺は南光師に合っている噺だと思います。
いつか「寝床」として最後まで聞きたいなー。
今回は喬太郎師以外は関西勢という珍しい会でしたが、４人を相手にアウェーで全く引けを取らないキョンキョンに拍手でした（笑）。